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第26回図書館総合展2024 2024年11月5日(火),6日(水),7日(木) パシフィコ横浜にて開催
図書館総合展2024にポスターセッションで参加し、活動を紹介しています。
「東京・学校図書館スタンプラリー【2024年版】」ポスターセッションページは→こちら←
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「東京・学校図書館スタンプラリー」実行委員会では、現役の作家と中高生が直接出会う場を設けることで、生徒たちが刺激を受け、未来の作家や読者に育ってほしいと願っています。作家講演会は2016年度にスタートし、9回目となりました。2024年10月6日(日)午後、都立立川国際中等学校・附属小学校ラーニングコモンズを会場として、小中高生対象の作家講演会を開催しました。参加者は小中高生を含め、合計59名の参加でした。
今回、講演会にお迎えしたのは青山美智子さんです( instagram / x )。青山さんは愛知県出身で横浜市在住。デビュー作『木曜日にはココアを』で第1回宮崎本大賞受賞。『お探し物は図書室まで』、『赤と青とエスキース』、『月の立つ林で』、『リカバリー・カバヒコ』で2021年から4年連続で本屋大賞にノミネートされています。事前質問に答える形で講演会は始まりました。青山さんが本に親しむきっかけや、母親が揃えてくれた文学全集には見向きもせず、父親の本棚にある本に興味を持ったことについてお話しされました。小説家になるきっかけは、氷室冴子さんの作品に出会い、自分も小説を書こうと思い、一冊のノートに書き切り、挿絵もつけて完成させたことだそうです。また、『木曜日はココアを』の表紙を田中達也さんにお願いするためにかなりねばって説得したお話も伺いました。自身の作品で好きな作品はすべてであり、全てがどこかで何かしら繋がっていることをお話しされました。タイトルの決め方については、小説の内容との関係性を大切にされており、すぐに決まる時はお話もすぐに始まるとのことです。また、中高生には「好き」(「居心地が良い」)を大事にしてほしいと伝えてくださいました。「好き」=「夢」ではなく、もっと気軽に考えてほしいとのことです。作家になって良かったことは、信頼できる人たちと一緒に本作りができることだとお話しされました。会場からの、「3年前くらいから作風の変化を感じている。何かきっかけなどあったのか」という質問には、自分の中ではそれぞれの区切りがあり、変化を感じたのは「挑戦」の時期だったとお話しされました。好きなこと、やりたいこと、やらなければいけないことがあり、なかなか本が読めないという高校生には「好きなことからやってもいい」と伝えられました。やらなければいけないことはきっとやるからですとのこと。青山さんから会場の皆さんへ、「購入した本の帯はどうしているか?」という質問がありました。青山さんはカバーも全て外して読み、本棚に収める時に元に戻すとのことです。会場の高校生の一人は外して別途保存し、本を処分するときは帯を記録として残すということで、帯を大事にしている様子に青山さんも担当編集者さんもびっくりされていました。講演会後のサイン会でも青山さんの温かく優しい人柄にみなさん感激されていました。今回、作家講演会のために貴重なお時間を提供していただきました青山美智子さんに深く感謝申し上げます。今後更なるご活躍を心よりお祈りいたしております。
ありがとうございました。
〈生徒の感想〉 抜粋 本が好きなんじゃなくて好きな本があるという言葉にしっくりきました。リカバリーカバヒコが好きです。
(小学5年生)青山さんのことは、お母さんに教えてもらい知りました。はじめて会ってみて、すごく親しみやすいと感じました。喋り方も優しくて、話していることも共感できるものが多かったです。
ありがとうございました。
(中学1年生)本日は楽しい時間をありがとうございました。本やタイトルの裏話がおもしろかったです! 「好き」にまっすぐという言葉が響きました。もう一度青山さんの本を全部読み返したくなりました。
青山さんのことずっと応援してます!!
(中学2年生)「好き」は別の「好き」を連れてくるという言葉に心を打たれた。周りの目を気にして好きなものを好きといえないこともあるけれど、そんな中でも自分の「好き」を大切にしたいと思った。
(高校1年生)本当に様々なお話を沢山沢山お聞きすることができて、とってもとっても楽しくてあっという間な時間でした。どの物語にも他の話の登場人物がちょっとずつ出ているというお話を聞いて、刊行された順番に全て読破したいと思いました!
(高校1年生)青山先生の経験から話されたことにたくさん共感できる事があって、講演会を見に来た青山ファンかつ本好きであろう人たちの輪の中に自分もいることが出来たというのもあって、今日来て良かったなと感じました。同じ様な経験をする、人と人との話の中で同じ様な出来事があったという話はささいな事じゃなかったとしてもあるけれど、それを自分がどう感じたのが、どうおとし入れるというのは、人それぞれで、そういう話を出来るというのはやはりすごいなと感じました。細かい事でも着眼点に出来る想像力が作家で凄いなといつも思うのです。
(高校1年生) -
第11回、東京・学校図書館スタンプラリーが終了いたしました。
ご参加いただいたみなさま、ご協力いただいたみなさま、どうもありがとうございました。
スタンプラリー参加者へお渡しした、ブックガイド小冊子「キミの推し本、見つかるはず。ー学校司書が選んだ小中高生におすすめの本」のPDFを、2025年3月末まで公開いたします。
みなさまの読書体験のお役に立てたら幸いです。
ブックガイド小冊子PDFは→こちら←
※直接リンクはせず、ダウンロードし印刷してお使いください。 -
2024年8月22日の午後に、都立南多摩中等教育学校の学校図書館を訪問しました。
図書館の入り口に辿り着く前から、通路の各所に図書館の情報が溢れ出ています。
入ってすぐのベストポジションに、説明の生徒さんも参加して作った「夏に読みたい本by図書委員」の展示コーナーがあります。
コーナーの本をチョイスした図書委員の生徒さんがひとりひとり、来訪者一組一組ごとに付いて案内してくれました。
図書館内を案内するあいだに、自分や友だちが、日頃どのように図書館を使っているか、どのコーナーのどんな資料をどう活用しているのかを添えて説明してくれたので、館内をひとまわりしながら日常の様子が眼に浮かぶようでした。
写真は案内してくれた図書委員さん愛用の雑誌の棚と、小説の棚。
スタンプラリーで他校から訪れている小学生や中学生、在校生らを含む30人ほどが参加しました。
ブックトークのテーマはそろぞれ「時間」と「数」というシンプルなもの。
お二人はそれぞれの個性を反映し、楽しげな絵本から、クイズのような興味惹かれる新たな知識を教えてくれる本、ゆっくり深く考える物語まで、幅広い本についてユーモアをまじえたブックトークを披露してくださいました。
カウンター脇の一角は、コミックを読んだり、ちょっとしたゲームができます。
生徒さんのおススメは、落書きノート。文章だけでなくイラストを描くのも楽しいとか。
↓すぐ脇には検索コーナーがあり、窓側には3Dプリンターが設置されているfabスペースも用意されていました。
読みやすいリーディングトラッカーの色は? のシール投票が行われていました。
↓入口から離れた奥の方には、一人で使えるキャレルディスクが数席あり、机上にはどこも辞書が完備されていました。
↓郷土や学校の資料のコーナーがあり
おためし読書や、100冊プロジェクトのブックトラックも複数おかれています。
↓また、オンラインでアクセスできる資料のQRコードも各所に。
限られたスペースの中で、図書館機能をフルに発揮できるようゾーニングされ、資料も情報もにぎやかにぎゅぎゅぎゅっと凝縮して盛り込まれた学校図書館の空間に影響されてか、スタンプラリー参加された方たちもあちらでもこちらでもそちらでも、そこかしこでおしゃべりが弾んでる姿が印象的でした。
(おまけ)
書架の棚上に置かれた「タイトル川柳」の作品群たち。
ゲラゲラ笑いながら作った様子が目に浮かびます! -
2024年8月22日の午前中に東京純心女子中学校・高等学校の学校図書館を訪問しました。
中高の図書館が、中学校と高等学校それぞれに分かれた図書館は、珍しい。
3階に中学校図書館、2階に高等学校図書館があります。
中学図書館に入ると、はずむようなかわいらしさ、楽しさに迎えられます。
一見した蔵書の豊富さに、冊数を訊くと中学生徒数100名程度に対し3万冊ということ。
なんと豊かな資料数でしょう。
それを分かりやすく、探しやすくする工夫がそこここになされています。
館内を見渡すと、いずれのサインも大きく見やすく掲げられていて、どこに何があり、どこへ探しに行けばいいのか一目瞭然です。↓
↑また、たとえば、利用度の低い本を寄せて置く工夫も。
「MakerSpace」は、手を動かして作業できる空間、くつろぎの空間になっています。
リラックススペースには、カーペットが敷かれています。
中学と高校と、図書館は分かれていますが、生徒はどちらも利用することができます。
2階に降りると高校図書館があります。
中学とはまたひと味違う、静謐であたたかな雰囲気の図書館です。
入口を入って右手側には新着本のコーナー
左側には新聞や検索コーナー
そしてカウンターがあります
中学図書館同様、どこにどんな本があるか書架サインが遠くからも一見してわかります。
カウンターの前を過ぎると、圧巻の新書コーナーがありました。
壁側だけではなく内側に置かれた書架も新書専用です。
書架の側面や壁には、新聞や雑誌、広報物などを活かしたミニポスターが、書架の側面や壁など、そこここに貼られていました。
テーマが、ジェンダーや多岐に渡り、それらを眺めていると、自ずと探究学習のテーマ探しや自身の関心にひきつけて記事を見てみる「眼」が養われそうでした。
さらに情報カードのアイテムが設置されていたり、
探究のプロセスが掲示されていたり。
窓辺の席は、勉強をするにも読書するにも空想にふけるにも良い落ち着いた風情がステキで、当日も数名の生徒さんが利用されていました。
こちらもゆったりと寛いで、面白そうな本や雑誌を眺めることができる空間でした。
中学、高校を分けた図書館は、蔵書構築から空間構成もそれぞれに特化して作り込まれており、さらに豊富な蔵書数とスペースのゆとりが際立った図書館でした。2館を見るには短い時間の滞在にも関わらず、豊かな時間を過ごすことができました。