東京・学校図書館スタンプラリー

作家 青山美智子(あおやま みちこ)さん講演会
「東京・学校図書館スタンプラリー」実行委員会では、現役の作家と中高生が直接出会う場を設けることで、生徒たちが刺激を受け、未来の作家や読者に育ってほしいと願っています。作家講演会は2016年度にスタートし、9回目となりました。
2024年10月6日(日)午後、都立立川国際中等学校・附属小学校ラーニングコモンズを会場として、小中高生対象の作家講演会を開催しました。参加者は小中高生を含め、合計59名の参加でした。

   
今回、講演会にお迎えしたのは青山美智子さんです( instagram / x )。青山さんは愛知県出身で横浜市在住。デビュー作『木曜日にはココアを』で第1回宮崎本大賞受賞。『お探し物は図書室まで』、『赤と青とエスキース』、『月の立つ林で』、『リカバリー・カバヒコ』で2021年から4年連続で本屋大賞にノミネートされています。 
事前質問に答える形で講演会は始まりました。青山さんが本に親しむきっかけや、母親が揃えてくれた文学全集には見向きもせず、父親の本棚にある本に興味を持ったことについてお話しされました。小説家になるきっかけは、氷室冴子さんの作品に出会い、自分も小説を書こうと思い、一冊のノートに書き切り、挿絵もつけて完成させたことだそうです。また、『木曜日はココアを』の表紙を田中達也さんにお願いするためにかなりねばって説得したお話も伺いました。
自身の作品で好きな作品はすべてであり、全てがどこかで何かしら繋がっていることをお話しされました。タイトルの決め方については、小説の内容との関係性を大切にされており、すぐに決まる時はお話もすぐに始まるとのことです。
また、中高生には「好き」(「居心地が良い」)を大事にしてほしいと伝えてくださいました。「好き」=「夢」ではなく、もっと気軽に考えてほしいとのことです。作家になって良かったことは、信頼できる人たちと一緒に本作りができることだとお話しされました。
会場からの、「3年前くらいから作風の変化を感じている。何かきっかけなどあったのか」という質問には、自分の中ではそれぞれの区切りがあり、変化を感じたのは「挑戦」の時期だったとお話しされました。
好きなこと、やりたいこと、やらなければいけないことがあり、なかなか本が読めないという高校生には「好きなことからやってもいい」と伝えられました。やらなければいけないことはきっとやるからですとのこと。
青山さんから会場の皆さんへ、「購入した本の帯はどうしているか?」という質問がありました。青山さんはカバーも全て外して読み、本棚に収める時に元に戻すとのことです。会場の高校生の一人は外して別途保存し、本を処分するときは帯を記録として残すということで、帯を大事にしている様子に青山さんも担当編集者さんもびっくりされていました。
講演会後のサイン会でも青山さんの温かく優しい人柄にみなさん感激されていました。
今回、作家講演会のために貴重なお時間を提供していただきました青山美智子さんに深く感謝申し上げます。今後更なるご活躍を心よりお祈りいたしております。
ありがとうございました。




〈生徒の感想〉 抜粋 
本が好きなんじゃなくて好きな本があるという言葉にしっくりきました。リカバリーカバヒコが好きです。
(小学5年生)
青山さんのことは、お母さんに教えてもらい知りました。はじめて会ってみて、すごく親しみやすいと感じました。喋り方も優しくて、話していることも共感できるものが多かったです。
ありがとうございました。
(中学1年生)
本日は楽しい時間をありがとうございました。本やタイトルの裏話がおもしろかったです! 「好き」にまっすぐという言葉が響きました。もう一度青山さんの本を全部読み返したくなりました。
青山さんのことずっと応援してます!!
(中学2年生)
「好き」は別の「好き」を連れてくるという言葉に心を打たれた。周りの目を気にして好きなものを好きといえないこともあるけれど、そんな中でも自分の「好き」を大切にしたいと思った。
(高校1年生)
本当に様々なお話を沢山沢山お聞きすることができて、とってもとっても楽しくてあっという間な時間でした。どの物語にも他の話の登場人物がちょっとずつ出ているというお話を聞いて、刊行された順番に全て読破したいと思いました! 
(高校1年生)
青山先生の経験から話されたことにたくさん共感できる事があって、講演会を見に来た青山ファンかつ本好きであろう人たちの輪の中に自分もいることが出来たというのもあって、今日来て良かったなと感じました。同じ様な経験をする、人と人との話の中で同じ様な出来事があったという話はささいな事じゃなかったとしてもあるけれど、それを自分がどう感じたのが、どうおとし入れるというのは、人それぞれで、そういう話を出来るというのはやはりすごいなと感じました。細かい事でも着眼点に出来る想像力が作家で凄いなといつも思うのです。
(高校1年生)

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