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2025年7月18日(金)の午後、都立調布南高等学校を訪問しました。
猛暑の中、調布市の京王多摩川駅から3分ほど歩くと、それほど汗をかかずに到着できました。
都立校では珍しく駅近の学校です。うらやましい…。
図書館は2階です。廊下には映画のポスターや同窓生の記事など、さまざまな掲示がありました。
ガラスケースにはおすすめ本などが夏らしくセンスよくディスプレイしてありました。
カフェのようなおしゃれなチョークアートが館内へと誘います。
スタンプラリー初日の開催。今年初となるスタンプを押していただきました!
入口にはラックに入れられた今日の新聞。
バックナンバーは社説の切り抜きとともに雑誌架に並べられており、利用しやすい工夫がなされています。
古い新聞ラックをリサイクルして作られた、選挙の特集展示コーナー。
『今、調南生に読んでもらいたい!先生たちがおすすめする本』コーナー毎年夏休み前に、先生の紹介文を載せた小冊子を配布しています。赤本コーナーの横には、熱心に自習する生徒の姿が。
先生のおすすめ本はやっぱり人気。
書架の横にはさまざまなミニ展示コーナー。
修学旅行は広島と関西方面へ行きます。
書架の中段の棚は、魅力的な本が面出しに並べてあり、思わず手に取りたくなります。
職業コーナー、探究コーナーの奥には新書がズラリ。
みんな大好き!マンガコーナーの横には、勉強にも読書にも使える、明るい閲覧スペースが広がります。
決して広くはない図書館なのですが、本を手に取りやすい工夫や、目を引く展示がたくさんあり、ついつい長居したくなる居心地のよい空間でした。
ありがとうございました。
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2025年7月30日(水)の午後に都立小台橋高等学校の図書館を訪問しました。
ひまわりのゲートをくぐると、おだやかなあたたかな世界が広がっていました。受付の周辺には、小さいものから大きいものまで水瓶がいくつも。めだかやエビやげんごろうが泳いでいます。さっそくスタンプを押してもらいます。その手元の隣に、押しつけがましくなく控えめに置かれたブックマーク。目ざとく見つけて頂戴しました(ついでに折り方も教えてもらいました!)正面に向き直ると”覆面本”のコーナーです。
広告の紙の色とりどりの鮮やかさを生かして、中がわからないように2冊の本がくるまれています。
大人気で幾度も追加をしつつ、自分で選ばなくていいのも、自分の好みに選らない本と出会えるのも、自分の好みを同じ本と遭遇するのも、どのパターンでも楽しい!とお話してくれました。
そして“脳トレ2025”のテーブルへ。
クイズもゲームも苦手なので、腰が引けていたのですが、ヒントと共に「そうですそうです、あと少しです!」「その線で大丈夫です!」「わ、すごい完璧です!」「今の解き方ハナマルです!」と、優しく励ましてくれたり、ハナマルを書き入れてくれたり、すっかりその気になって1時間近く奮闘し、10問すべてコンプリートしました!(全問正解にはならず)
続いて“詩のアニマシオン”の体験をしました。詩は谷川俊太郎の「いしっころ」。耳で聴いたその詩の世界のイメージを、小さなイラストにしてみよう、というアニマシオン。ゆったり、やさしい、あたたかく朗読してくれました。比較的最近の新書を、塔にして積み上げられています。この塔に置かれた新書の本は、書架に差し込まれた新書よりも動きが良くなるそうです。
存在感のある塔の姿に引き寄せられて、手にとりたくなる気持ちが大いに刺激されます。
書架のコーナーの手前におもむろに紙コップが吊るされています。
視線をあげて天井を見上げると、長い糸がカウンターから図書館中央までつながれています。
長距離糸電話は、糸の分岐ごとに半減し、音量が小さくなってしまうとのこと。
そこで要所要所で糸の太さを変え、遠くても音量が小さくないよう工夫に工夫を重ねたとのことです。
紙コップを耳にあてると、聴こえてくるのは小台橋高校の校歌ということです。
その校歌の歌詞は、俵万智さんの作詞であり図書館の入口付近には俵万智さんのお手紙と作品のコーナーが設けてありました。
スタッフの生徒さんが図書館入口からあらためて館内の案内をしていただきました。
展示のコーナーは多数設置されていて、それぞれのコーナーをどんな風に楽しんで読んだかお話しながら館内や書架内の随所に小さな手作りが添えられていました。
木彫りのトトロのビレッジがあったり、シーサーがお守りしているコーナーがあったり、どの展示にもかわいらしい工夫がなされていました。館内を一周するあいだに、お気に入りの場所やお気に入りの過ごし方や、好みの本の読み方や映画や演劇や旅のお話まで広がって読書トークにまで盛り上がり、隅々まで案内してもらいました。そんなこんなで滞在は2時間近くに及びました。小台橋高校の学校図書館は文字通りいつまでも居られる場所でした。何よりスタッフの、脳トレの生徒さんも、アニマシオンの生徒さんも、館内を案内してくれた生徒さんも、みな親切であたたかく図書館の空気そのものを司っていました。 -
生徒さんが二人、まるで自分の家のリビングのように寛いでいました。そう寛ぎたくなるような、ゆったりした空気の流れるのが、杉並高校の学校図書館です。カウンター前から正面にゆったりと広く、授業のできるスペースが広がっています。
校庭に面した窓側はひとりで勉強できるエリア。あいだに展示の机を挟むことで、ひとりのスペースとして、しっかり認識されやすく工夫されていました。そんな風にそれぞれの目的ゾーニングがしっかりされているので、その時々の気分や用途で、使い分けることができます。
その手前、このバスケットには何が?なんと図書館の扉の外のブックポストに入れられた本は、ここでキャッチされるのです。本に優しいあたたかなつくり。 -
2025年8月4日(月)の午後に都立大田桜台高等学校の図書館を訪問しました。
昇降口から正面、真っすぐ通路の突き当たりに図書館があります。館内に入ると出迎えてくれるのは、カラフルでイラストがいっぱいの多読の本のブックトラックや書架。ちょっとした夢の世界に訪れたように気持ちが高揚して、ワクワクしてきました。ワクワクした勢いで、案内していただいた英語の多読に挑戦!1冊目はチョイスを誤り、文字数の多いものにチャレンジしてしまい苦戦。気を取り直して、次の一冊は文字数少なめイラスト多めの本に。まだ日本では紹介されていないディズニーのプリンセスもの!先取り感があって嬉しい。多読にくわしく図書館での展示などにも協力される英語の先生が案内して下さった「Oxford Reading Tree(ORT)」のシリーズは、①から⑫まであり(①から⑨がORT,⑩から⑫は続編のTreetops Time Chronicles)、①の初級から読み進めていくと隠されたストーリーが明らかになってくる仕立てになっています。最上級のステージにたどりつくと、それまでの伏線(が張られている⁉)がまるっとすべて回収されるとか(何それ、気になりすぎる!)。「知らないまま卒業しちゃっていいの!」のメッセージに、毎年、卒業間際に通い込んで読み切る生徒さんが居るそうです。3年生の図書委員からは「おすすめのビジネス関連本」の選書コーナー。ビジネスコミュニケーション科の高等学校ならではです。続いての図書委員コーナーは「お気に入りの英語の本」。図書委員のみなさんにとっては、日本語の本の紹介はどれにしようか悩んでしまうのですが、毎週ある多読授業でふれている英語の本は気軽に楽しく選べるそうです。なんと!新聞・雑誌コーナーでも、英字新聞が複数用意されていました。館内のサインが見やすく遠くからでも分類がわかります。
ゆったりした書架に、表紙が面出しされた本で明るい雰囲気が作られていました。
ところどころ本のページも開かれて置かれていました。季節やテーマに応じた内容に手に取りたくなります。どこに居てもゆったり過ごせる図書館でした。そして来年のスタンプラリーは、Oxford Reading Treeのシリーズを攻略するために訪れたいです! -
「東京・学校図書館スタンプラリー」実行委員会では、現役の作家と中高生が直接出会う場を設けることで、生徒たちが刺激を受け、未来の作家や読者に育ってほしいと願っています。2016年からスタートした作家講演会は、今年で記念すべき10回目となりました。今回は、スタンプラリーに特別参加をしてくださった東京都立多摩図書館2階のセミナールームにて、2025年11月9日(日)午後、たくさんの中高生を迎えて作家講演会を開催することができました。当日は保護者やスタッフも含め、合計65名が参加しました。
今回講演会にお迎えしたのは、浅倉秋成さんです(Xはこちら)。浅倉さんは、1989年生まれ、出身は千葉県です。デビュー作は『ノワール・レヴナント』(2012年)で、第13回講談社BOX新人賞を授賞されています。その後『六人の嘘つきな大学生』『俺ではない炎上』などヒット作が多数出版されています。
浅倉さんは、事前にお渡しした中高生からの質問を元に、1.子どもの頃について、2.作家になるまで、3.作家になってから、4.創作について、という構成でお話しくださいました。どれも興味深いお話でしたが、デビューに至るまでのお話には驚かされました。そしてとても面白かったです。高校時代に小中学校の同級生だったお笑いコンビ・レインボーのジャンボたかおさんとコンビを組んでM-1甲子園(現:ハイスクールマンザイ)の予選に出たという経歴があるぐらい、実は笑いを取ることがお好きと聞きましたが、納得です。
小学生だった浅倉さんは、本を読み始めたら人の声も聞こえなくなるという同級生をかっこいいと思っていたそうです。ある時、読書感想文に何を読んだらいいかを彼に尋ねると『吾輩は猫である』を推薦され、頑張って読んでみたものの、途中で挫折。以後、本は自分には読めないものとバッサリと切り捨て、もっぱら漫画を読み耽る。中高時代にまともに読んだのは2冊のみ。
そんな浅倉さんが、大学生になりアルバイト先の知人から誕生日のプレゼントに1冊の本をもらいました。内心、困ったなぁ、読めないのに……と思いつつ、でも読まないのも悪いかと読み始めたところ、これが実に面白くてあっというまに完読。「なんだ、俺にも本が読めるじゃないか!」とこの時の衝撃は半端なかったようです。書店に行けば漫画コーナーしか行かなかったのに、そこに置いてあるすべての本が読めるものだとわかり、まるで今まで1面しか使えなかったゲームがいきなり2面に広がった感覚だったとか。この時プレゼントにもらった本が、東野圭吾著『容疑者Xの献身』でした。以後、村上春樹、伊坂幸太郎と読み進めていくのですが、そこから山のように本を読んで作家へと思いきや、4冊程読んだところで、いきなり小説を書いて講談社BOXへ応募。これが落選すると、次は社会人の傍ら執筆し、2つの作品を応募。このうちの1冊がデビューにつながったというから、ただものではありませんね。小説を書くきっかけは、大学でたまたま受講した授業が、全員が書いてきた作品を、誰が書いたかわからない状態で毎回合評するというもの。そこで創作の面白さに目覚めたことが、今につながっているのですね。だから大学では、一見関係ないと思う授業もとってみるといいと、中高生に薦めていました。
この後のお話は、実際にどうやって作品を書いているのか、日々の生活の様子や、編集者さんとのやりとり、1冊の本ができるまでを、手の内を明かすかのように語ってくださって、あっという間に時間が過ぎていきました。
質問タイムでは、中高生から途切れることなく、たくさんの質問が出て、それらに丁寧に答えてくださいました。また、終了後のサイン会では、持参した著書にサインをしながら一人ひとりに声をかけてくださって、サインの列がなくなったのは、講演から1時間をたっぷり過ぎた頃でした。
今回、浅倉さんに講演をお願いしたのは、中高生のビブリオバトルで必ず取り上げられる作家さんで、しかもチャンプ本に輝く確率も高いからと、実行委員長の杉山さんが言っていました。さらに、当日参加した中高生が浅倉さんにお会いできて感激していた様子を見て、若者にも人気の作家さんであることが伝わってきました。
貴重な時間を割いて講演いただいた浅倉さん、参加くださったみなさん、本当にありがとうございました。
(東京・学校図書館スタンプラリー実行委員会)
浅倉さんを中高生が囲んで「はい、ポーズ!」
生徒の感想(抜粋) 本は多くの人が関わっているのだろうと前からも思っていたが、今回の講演を聞いて、感じたことがある。勿論、本には多くの人、それも僕には想像できないほどの人が関わっている。しかし、それは数ではなく、人であって、その中の一人は、百人集めても足りないほどの、数では表せない影響を本自体とその周りに及ぼしている。そんな力が数多く集まってできたものだから、本は莫大な力を秘めているのだと思う。
(中2)事前に浅倉さんのご著書を何冊か読ませて頂いてから講演会に参加した者です。参加する前は「こんなすごい本、内面から常人とかけ離れている方が書いたんだろうなあ・・・」と思っていたのですが、実際にお話を聞いてみると凄く気さくな方で、とても楽しませて頂きました。もっと浅倉さんの本が読みたくなったし、聞いた後で読み返したくもなりました。
(中2)僕の大好きな小説家が目の前にいるのがとても嬉しかったです。その上、お話が分かりやすく、何より面白い!!!短編集が苦手というのも共感してもらえてよかったです。でも『まず、良識をみじん切りにします』は読もうと思います。
(高1)今日の講演会、とっても楽しかったです!!このような作家さんの講演会に来るのは初めてだったのですが、来て良かったと思えました。『六人の嘘つきな大学生』で浅倉さんのことを知ってから、少しずつ過去の作品を読みあさっています。中学でスマホを持ってから、(本を読まなくなった私に)本の面白さを私に再発見させてくれたのは浅倉さんです(笑)。今日の講演会で浅倉さん自身のことも大好きになりました!これからもたのしい作品を待っています!頑張ってください!
(中2)