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2024年8月22日の午前中に東京純心女子中学校・高等学校の学校図書館を訪問しました。
中高の図書館が、中学校と高等学校それぞれに分かれた図書館は、珍しい。
3階に中学校図書館、2階に高等学校図書館があります。
中学図書館に入ると、はずむようなかわいらしさ、楽しさに迎えられます。
一見した蔵書の豊富さに、冊数を訊くと中学生徒数100名程度に対し3万冊ということ。
なんと豊かな資料数でしょう。
それを分かりやすく、探しやすくする工夫がそこここになされています。
館内を見渡すと、いずれのサインも大きく見やすく掲げられていて、どこに何があり、どこへ探しに行けばいいのか一目瞭然です。↓
↑また、たとえば、利用度の低い本を寄せて置く工夫も。
「MakerSpace」は、手を動かして作業できる空間、くつろぎの空間になっています。
リラックススペースには、カーペットが敷かれています。
中学と高校と、図書館は分かれていますが、生徒はどちらも利用することができます。
2階に降りると高校図書館があります。
中学とはまたひと味違う、静謐であたたかな雰囲気の図書館です。
入口を入って右手側には新着本のコーナー
左側には新聞や検索コーナー
そしてカウンターがあります
中学図書館同様、どこにどんな本があるか書架サインが遠くからも一見してわかります。
カウンターの前を過ぎると、圧巻の新書コーナーがありました。
壁側だけではなく内側に置かれた書架も新書専用です。
書架の側面や壁には、新聞や雑誌、広報物などを活かしたミニポスターが、書架の側面や壁など、そこここに貼られていました。
テーマが、ジェンダーや多岐に渡り、それらを眺めていると、自ずと探究学習のテーマ探しや自身の関心にひきつけて記事を見てみる「眼」が養われそうでした。
さらに情報カードのアイテムが設置されていたり、
探究のプロセスが掲示されていたり。
窓辺の席は、勉強をするにも読書するにも空想にふけるにも良い落ち着いた風情がステキで、当日も数名の生徒さんが利用されていました。
こちらもゆったりと寛いで、面白そうな本や雑誌を眺めることができる空間でした。
中学、高校を分けた図書館は、蔵書構築から空間構成もそれぞれに特化して作り込まれており、さらに豊富な蔵書数とスペースのゆとりが際立った図書館でした。2館を見るには短い時間の滞在にも関わらず、豊かな時間を過ごすことができました。 -
2024年7月31日(水)、立川駅から徒歩20分のところにある立川国際中等教育学校のラーニング・コモンズを訪問しました。
ラーニング・コモンズは小学校の正門を入ってすぐの小学校の校舎の2階に位置していました。
中高の校舎とは空中歩廊でつながっており、どの学年でもアクセスしやすい施設になっているそうです。
また、ラーニング・コモンズ内には図書館のほか、国際交流室、マルチメディア室、視聴覚ホールが整備されていました。
まずは視聴覚ホールにお邪魔しました。
特別企画の都立多摩図書館の司書の方によるブックトークをお聞きしました。
今回は『おいしい話』と『はじめて』というテーマでそれぞれ6冊ずつ本を紹介していただきました。
さまざまなジャンルの面白そうな本の紹介を楽しんでお聞きすることができました!
その後は館内を見学しました。
←中高生図書エリア
中高生向けの書籍がぎっしり詰まっています。
↑みじかいお話の本を集めたコーナー
忙しい中高生でも手を伸ばしやすそうです。研修旅行先の京都・奈良の資料も充実しています。
図書員さんたちの力作のPOPがズラリ。
東洋文庫のコレクション。前身の高校から引き継がれた貴重な資料とのこと。
小学生図書エリアのすぐ目の前に、オリンピック・パラリンピック特集があります。
↓マルチリンガル・コーナーには、さまざまな言語の本が集まっています。
館内のいろんなところに、ゆっくりと座って読書を楽しめる空間があります。→対話コーナー。こちらは会話OKとのことで、教えあったりしながら学習ができるスペースとのこと。↓
↑サイエンス・コーナー。理科系の書籍が集まっています。
サイエンス・コーナーのすぐ隣には、理科室も!
児童・生徒たちが図書館を利用して様々なことを学び、そしてその情報を活用しながら自分の考えを育み、発信できるようになるための環境が整えられていると感じました。
とっても広々とした館内はどこを見てもたくさんの情報があふれており、好奇心が刺激される空間になっていました。
ゆっくりと見学することができました!ありがとうございました。 -
2024年7月30日(火)、午後の豪雨の予感がする曇り空の暑い中、三鷹中等学校を訪問しました。
生徒さんたちはとても礼儀正しく、挨拶してくれます。
図書委員がチラシにスタンプを押してくれました。
図書館の天井は高く、光が差し込む天窓があり、とても明るいです。
図書委員がおすすめする本
気軽に英語に触れる環境があって、それを有効に活用できる三鷹の生徒たちに感心しました。
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2024年8月21日(木)、恵比寿駅から徒歩10分のところにある都立広尾高校を訪問しました。
正門
入口付近にはブックポストや開館情報、新聞ラックがありました。
図書館前のスペースには学習机、図書館の向かい側には進路室があります。
図書館で進路室の本も貸し出ししているそうです。
図書館入口
図書館前の様子
図書館に入って正面に、新着図書コーナーとくつろぎスペースがあります。
くつろぎスペースには絵本やマンガ、広高推薦図書コーナー等があり、大人気のスペースのようです。
「広高推薦図書」は図書委員と有志の先生がオススメする本を冊子にまとめたもので、入ってすぐの目立つ場所にコーナー展開されていました。
この人気スペース近くにはニーズの高い参考書や受験に役立つ本コーナーもあり、くつろぎスペースにある椅子を移動して参考書等を読む姿もよく見られるとのことでした。
人気スペース
広高推薦図書コーナー
カウンター周辺にはリンゴの棚や洋書コーナー、蔵書検索用パソコン、リクエストBOX等がありました。カウンター
りんごの棚
洋書・多読コーナー
このスペースは英語や国語、保健体育、探究などの授業でよく利用されているとのことでした。
見学したのは午前中でしたが、すでに勉強したり、本を読んだりする生徒の姿が見受けられました。
ちなみに、テスト前になると館内は満席になってしまうそうです。閲覧席
この日は中学生対象にした自由見学日でもあり、図書館にもたくさんの見学者が来ていました。 -
2024年7月29日(月)、東京都立農業高等学校を訪問しました。
農業高校は、全日制に5科{都市園芸科・緑地計画科・食品科学科・服飾科・食物科}、定時制に2科{普通科・食品化学科}が設置されていて、図書館は、全日制と定時制の両方の生徒が、それぞれの時間帯に利用しています。学校ホームページの“特色”に
〈駅近5分で「衣・食・住」を学ぶ専門高校〉
とある通り、京王線府中駅から徒歩5分で到着。暑さの厳しい日でしたが、ケヤキ並木の日陰の恩恵で、とても近いと感じました。美しく整えられた花壇も素敵。
(この並木の保護更新活動には、緑地計画科がケヤキプロジェクトとして取り組んでいるそうです。)校内では、いたるところで「衣・食・住」を感じます。途中の階にはドレスが飾られていました。
文化祭でのファッションショーで、服飾科は自分でデザイン・制作した衣装で舞台に立つそうです。
隣の敷地には、農作物販売コーナーや、卒業制作で実際に生徒が作り上げた庭園もありました。
図書館は廊下の突き当たり。扉まわりや壁が彩りよく飾られて、ワクワク引き込まれます。決して広くはない館内ですが、思わず本を手に取りたくなる展示の工夫が随所にありました。
←
入口すぐ課題研究に役立つ
展示の上段には、
美しさが目を引く
和菓子や朝顔などの本。小論文・志望理由書対策のコーナー → 夏の特集「海とさかなの本」
「アイスクリーム」
図書委員のおすすめ本は、全日制・定時制のそれぞれから。
全日制
定時制
雑誌ラインナップは、一般的なものに専門誌も加わって多彩。
蔵書は、専門分野の課題研究に必要な植物、園芸、家庭、農業などの分類が充実。
料理本の分類用に歴代司書が考案したシールは圧巻!
スタンプラリー参加者のためのクイズはとてもよくできていて、特徴的な蔵書に納得です。
普通高校とはひと味もふた味も違う学校の魅力を感じました。
その特色にそった、利用しやすそうな図書館でした。